「がんばって覚えようとしているのになかなか覚えられない」

「せっかく覚えたのにすぐに忘れてしまう」

こういう経験はありませんか?

それは、単に物覚えが悪いという訳ではなく、覚え方・進め方が

適切でないからかもしれません。

覚えたい内容を効率よく脳に定着させるには、誰かに強制されて

ダラダラと覚えるのではなく「ラーニングピラミッド」に沿って

能動的・積極的に学習することが有効です。

 

◆ラーニングピラミッドとは?

アメリカ国立訓練研究所の研究で、学習方法と平均学習定着率の関係は

「ラーニングピラミッド」という図で表すことができます。

学校の授業や会社の新人研修などでは、講義・実技・議論など様々な方法で

学習を行いますが、時間が限られている状況では、より効率の良い方法で

学習をすることでが大事です。

◆定着率のカギは能動的な学習

ラーニングピラミッドを見ると、ピラミッドの下に行くほど定着率が

高いことがわかります。それぞれを見ると・・・

 

①講義を受ける(5%)

学校の授業やセミナーなどに出席している状態です。

ただ席に座って先生の話を聞くだけだと、よほど興味のある内容でない限り

授業内容のほとんどを忘れてしまうでしょう。

②読書する(10%)

学習内容に関係する書籍を自分で選んで読みます。

自発的学習のために、ただ講義に出るだけより能動的な行動と言えるでしょう。

ただし学習内容にあまり興味が持てない場合は、書籍の内容を漫然と目で

追っていてもなかなか覚えられないでしょう。

③視聴覚(動画や音声による学習)(20%)

DVDや学習内容に関連した動画などを視聴します。

単なる文字の羅列や静止画と比べて、動画・音声はより脳に大きなインパクトを

与えます。

④デモンストレーション(30%)

学習の場では「先生が行う実験を見る」「工場見学に行く」などです。

実演内容により聴覚・嗅覚・触覚にも直接訴えかけられるので、解説文や動画よりも

さらにインパクトが大きく記憶に残りやすくなります。

⑤グループ討論(50%)

ディスカッションやディベートなどを行います。

リアルタイムの会話で意見交換するため頭の中で筋道を立てて考え、

意見を伝えることが必要です。そのため、ただ見るだけ・聞くだけよりも

さらに能動的な関わりが必要になります。

ディスカッション中の他者より新たな知識を得ることができます。

⑥自ら体験する(75%)

実際に自分の手や体を動かして感覚をつかむことが有効です。

また、現場に出向いて自分で調査・研究を行うフィールドワークも含まれます。

⑦人に教える(90%)

学習の集大成となる研究発表や論文発表、講義などが該当します。

物事を他人に教えるためには、自分でしっかりと内容を理解しなければなりません。

「他人が書いた文章を読み上げるだけ」では自身の脳に与えるインパクトが足りず

誰かから突っ込んだ質問をされると返答に詰まってしまいます。

何度も実践経験を積み、時には失敗を経験することでより細やかに人に

教えることができるでしょう。

 

ラーニングピラミッド下方の学習法ほど、より自発的・能動的な働きかけが必要です。

能動的に学習するためにはまず講義・自主学習などで知識や興味を高め

その後、議論・実践で理解を深めていくことが大切です。

限られた時間を上手に使ってスケジュールを立てましょう。