現場のリーダーの大きな仕事のひとつがスタッフを「教え、育てる」ことです。
ところが、私たちは目の前の業務を回すために教えることにこだわり過ぎるあまり
やるべきこと、覚えなければならないことをマニュアルに沿って機械的に伝えてしまいがちです。
この状態が行き過ぎてしまうと、伝える側(リーダー)主導で相手の反応を見ずに伝えてしまう現象が起きます。
新人教育する場を想像してみましょう。
新しい環境に触れ、緊張もピークに達している新人に対して、リーダーからは独自のルール、専門用語の数々がシャワーのように放たれます。
新人はその言葉を追うことで目一杯な状態なところに、リーダーは「今のところ、わかったなか?」と確認します。
この言葉に対して、言われたことの半分もわかっていない新人はどのように返事をするでしょう?
十中八九「はい、わかりました!」と答えることでしょう。
新人スタッフは、自分の能力が低いと思われたくない反面、リーダーが決められた時間の中で熱量を込めて教えてくれたことも理解しています。
そんな状況で「わかりません」と言える人はごく一握りでしょう。
人を育てるためには、相手がしっかりとあなたの伝えたことの意味や価値を理解したうえで、実践行動につなげていくことが大切です。
そのためには次の4つのステップを心掛けてみましょう!
①説明する
・なぜこれをやるのかという理由を説明する(ゴールまで明確にする)
・現状を確認する(状況を傾聴して確認する)
・具体的なやり方をしっかりと言葉で説明する(ポイントをおさえる)
②まずリーダーが自分でやってみせる(その人が覚えられるスピードで)
③相手に実際にできるまでやってもらう。(承認も忘れずに)
④立ち会いながら、①~③の中でどこが良かったのか相手を褒め、そしてさらに成長するための課題を明確に伝える。
これは日本海軍の山本五十六さんの「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」と同じステップです。
相手にあなたの意図と業務の内容が伝わっていなければなりません。その意図が伝わらなければ手段(やること)が目的になってしまい、本来の狙いからは確実にそれていってしまいます。
大切なのは、明確な目的を意識して相手にやり方を見せ、口頭でしっかり説明することです。立ち合いながら相手が出来ているかどうかを承認し、さらなる成長課題は何なのかを明確にし、試してもらうことです。
指示するときは、なぜやるか(目的)、どこまでするか(ゴール)を明確に!
※参考 今井千尋氏著書「ディズニー・USJで学んだ 現場を強くするリーダーの原理原則」より